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金, 10 2月 2012 00:00

それでも人生にイエスと言う

Trotzdem Ja zum Leben sagen

あと1ヶ月で、あの東日本大震災より1年の時が過ぎようとしていますね。 

遠く海外に住む私達にとっても、震災が与えた衝撃は大きく、こころに深い爪あとを残しました。
フランクルの言葉を借りれば、「こころが爆撃を受けた」状態です。
穏やかな日常の中で、突然、「生と死」というテーマを目の前に突きつけられた瞬間。
今後の生活観、自分自身の価値観を、今一度見つめ直された方も多いのではないでしょうか。

私達の人生には、時に一瞬で、今までの生活が、180度変わってしまうような出来事が訪れます。
災害や病気、最愛の人との別れなど、自分の力の及ばない、まさに、どこにも出口が見当たらないという状況です。
人は、これを"運命"と呼ぶのかもしれません。

「運命だったんだから、もうどうしようもないよ。」人は言うかもしれません。
しかし、本当に私達は、100%、その状況に従う他ないのでしょうか。

そう、私達には、こころの自由があります。状況を変えることはできなくとも、状況を自分がどう受け止め、
どのような行動を起こしていくのか。それは、運命も、何事もが決定することができない、あなただけの自由です。

悲しみにくれた、先の見えない状況の中で、思いやりを忘れず、労わり、励ましあう日本人の心温まる行動に、
目頭を熱くし、勇気をもらったのは、私達、日本人 だけではなく、世界中のみなさんでした。日本人で良かったなあと、
アイデンティティと誇りを感じた瞬間ではなかったでしょうか。彼らが運んでくれた、ス プーン一杯の精一杯のユーモアは
みなに、少しの笑顔とこころのぬくもりを届けてくれました。少しの笑顔が、また次の笑顔を作って、笑顔のつながりが生まれます。
笑顔は、希望と活力を呼び戻してくれるまほうです。

復興には、まだまだ多くの時間を要し、解決されるべき課題が残されています。

こころに受けた衝撃を、涙を流すこと、友人と語らうことで、少しづつ整理された方もおられれば、悲しみを心の奥底に
眠らせたまま、現在の日常を生活してい らっしゃる方もおられることでしょう。震災のチャリティーイベントや特集記事が
多くなるこの3月、またあの映像を見るのが、まだつらいなあと思われる方、 無理をしないで、TVを消してくださいね。
今なら向き合えるかもと思える時期がくるまで、ゆっくり待ちましょう。自分のペースで、良いのですから。

そして、忘れないでください。今後もうだめだ・・と思う状況に直面した時、胸に、スプーン一杯のユーモアをかき集めて、
誰かに笑顔をおすそ分けをすることを。きっと、あなたにも笑顔のおすそ分けが戻ってきます。
笑顔をもらったら、また思えるはずです。

それでも人生にイエスと言おうかなって。


<ビブリオセラピーにおすすめ!>



それでも人生にイエスと言う
ヴィクトール・E・フランクル 著

オーストリアの精神科医、心理学者。ロゴセラピーという心理療法を確立する。
人が自らの「生の意味」を見出すことを援助することで心の病を癒す心理療法、
ロゴセラピーは、意味中心療法とも呼ばれる。

Last modified on 日, 02 9月 2012 13:09